インプラントとブリッジの違い

健康な歯への影響・費用・審美性・寿命を比較

ブリッジ

1本、または連続して2本の歯を失い、「ブリッジとインプラントどっちがいいのかな?」と悩む方は多いものです。
しかし、インプラントは保険が適用されないため高い費用がかかりますし、ブリッジは両サイドの健康な歯を削る必要があるなど、どちらの治療法にもそれぞれ利点と欠点があります。

1~2本の歯を失った時には、部分入れ歯治療も適応となりますが、ここではインプラントとブリッジで迷った時に知っておきたい比較ポイントについてお話ししていきたいと思います。

ポイント1健康な歯への影響・他の歯を削るかどうか

ブリッジは通常、両サイドの歯で1~2本の歯を補いますから、何の問題もない健康な歯を削らなければなりません。
最近は、接着性ブリッジなどの削らないブリッジ治療も登場していますが、治療を受けられる症例は限られており、現在はまだ一般的な治療にはなっていません。
また、削る量を最小限に抑えているので、「健康な歯を削りたくない」と言う方にとっては大きなメリットではありますが、「削らない」と言われている接着性ブリッジも、実は少し歯を削ります。

これに対し、インプラントは独立した1本の歯を作るので、他の健康な歯を削ることはありません。ブリッジ治療では他の歯を削り負担をかけてしまうことを考えると、独立した歯を作るインプラント治療は、将来のために残せる歯を増やせる可能性が高いという点で、メリットのある治療法と言えます。

ポイント2費用・保険治療が可能かどうか

治療費は、保険診療か自由診療かによって大きく違ってきます。自由診療の場合は、保険診療の十倍以上の費用がかかってしまう場合もあります。
インプラントは保険が適用されない自由診療ですから、どうしても費用は高くなってしまいます。

一方、ブリッジ治療は保険で治療ができますから、オールセラミックなどの保険がきかない素材を使用しなければ、治療費を抑えることが可能でしょう。

ポイント3審美性・見た目の美しさ

インプラントもブリッジも、被せ物に使用する素材によっては、違和感がなく、天然歯に近い審美性を取り戻すことができます。

しかし、ブリッジ治療の場合、保険が適用となるのはレジンという白色の素材を使用する場合と、銀色の金属(銀歯)を使用する場合のみなので、オールセラミックのような審美性の高い素材を使用するならば、自由診療になってしまいます。

「銀歯にはしたくない」という方も少なくないと思いますが、ブリッジ治療の場合、治療部位によっては銀色の素材しか使用できない場合もあります。健康保険では、前から3本目まではレジンを使用できますが、4本目からはレジンは使用できず、金属しか使用できないことになっているのです。

ポイント4寿命・長持ちするかどうか

保険治療ではなく保険外治療で行う場合には、高い費用がかかります。そのため、どれくらい寿命がもつのかという点も、治療を選択する上で大きなポイントになります。

インプラントの寿命は半永久とも言われていますが、治療や素材の精度によって違ってくると言えますし、メンテナンスが十分に行われているかという点でも大きく違ってきます。
10年後の平均残存率は9割を超えていますから、インプラントは長持ちする治療法と言えますが、メンテナンスの仕方や生活習慣、全身疾患などの原因によって、寿命が短くなってしまう場合もあります。

ブリッジの平均寿命は7年などと言われていますが、2~3年でダメになってしまう方もいれば、長年使い続けている方もいます。
ブリッジの寿命を決めるのは、「支えとなっている歯がもつかどうか」という点が大きいでしょう。本来ならば3本の歯で受け止めるべき力を、削減された2本の歯で受け止めることになるわけですから、ブリッジにすることによって、寿命を縮めてしまう可能性があります。
また、装置の精度や噛み合わせの調整、歯ぎしりの有無なども、支えとなっている歯の負担に大きく影響しています。

どちらの治療法も、長持ちさせるために定期的に歯科でメンテナンスを受けたり、セルフケアを行ったりと、日頃からのお手入れが重要となります。歯ぎしりなど、ダメにするリスク因子を持っている場合は、改善する必要があるでしょう。

保険適用外のブリッジ費用は、インプラント費用とそれほど変わらない

保険でのブリッジ治療は、前から3番目の歯までは白くできますが、4本目以降は金属を使用することになってしまいます。
そのため、4本目以降のブリッジ治療で、「どうしても白い素材を使いたい」という場合には自由診療となってしまいます。

保険適用外ブリッジ治療の費用

自由診療ですから歯科医院によって費用は異なり、使用する素材によっても左右されますが、だいたいの相場は(1本欠損の場合)15~45万円と言えます。
歯科医院によってはオールセラミックス1本10万円などと料金表がありますので、歯科医院で確認しておくとよいでしょう。

また、保険でブリッジ治療を行った場合には、診断や検査、型取り、両サイドの歯の治療などを含めても2~3万円で治療が可能です。

インプラント治療と保険適用外ブリッジ治療の料金比較

インプラントの費用の相場は、1本30~40万円くらいと言えるでしょう。インプラントは費用が高い治療法だというイメージが強いですが、ブリッジ治療も保険外で行えば、治療費用は高くなってしまいます。審美性が高い素材を選ぶほど、費用が高くなりやすいです。

インプラント治療は、ブリッジ治療とは異なり、外科的手術が必要になりますし、治療後にはメンテナンスが必要になります。
しかし、「他の健康な歯を削る必要がない」「人工歯根を埋め込むので骨吸収を抑えられる」などのメリットもあります。費用や審美性だけでなく、総合的に比較して自分に合った治療方法を選ぶことが大切でしょう。