プラークコントロールの重要性・歯垢を除去する目的

歯磨き粉や歯ブラシのコマーシャル、あるいは歯科医院を受診した際に、「プラークコントロール」という言葉を耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。

プラークコントロールは、口内の衛生を保つためにプラーク(歯垢)を除去する行為のことです。ここで今一度、プラークコントロールの重要性や目的を理解し、口腔トラブルの予防につなげていきましょう。

プラークコントロールとは?

プラークコントロールと聞いて、歯ブラシを使ったブラッシングを最初に思い浮かべる方は多いでしょう。
確かに歯磨きはプラークコントロールを行う上で欠かせない存在ですが、プラークコントロールとは、プラークを除去する全ての行為を指します。

プラークコントロールの例として、歯磨き以外にも以下のような方法が挙げられます。

  • 歯間ブラシ・デンタルフロスによる歯間ケア
  • 洗口液(マウスウォッシュ)による口内洗浄
  • 砂糖を含む甘い食べ物の摂取を控える
  • 歯科で行う歯のクリーニング(PMTC)

そもそもプラークとは?

プラーク(歯垢)とは、歯の表面に付着している粘り気のある黄白色をした物質で、食べカスが歯面に付着することで細菌が繁殖した、言わば細菌の塊です。
プラーク1mg中には約1億個もの細菌が存在しており、多くの場合は唾液や歯磨きで除去できますが、歯と歯の間など、唾液が行き届きにくい部分や磨き残しがあると細菌が増殖し、虫歯や歯周病、口臭などの口腔トラブルの原因となります。

プラークを除去せずに放置していると、やがて石灰化して歯石に変化します。プラークの時点では丁寧なブラッシングや歯間ケアにより除去することができますが、歯石となってしまった場合、自分では除去することが困難になってしまいます。

プラークコントロールを行う目的・意義とは?

プラークコントロールを行うことには、具体的にどのような目的があるのでしょうか。

虫歯を予防する

虫歯の原因である虫歯菌は、プラークの中で増殖していきます。増殖した虫歯菌は食べ物の糖分を餌にして酸を出し、歯のエナメル質の内側から溶かします。これを脱灰(だっかい)と言います。

初期虫歯であれば、脱灰が起こったとしても唾液による再石灰化で修復できる可能性があります。しかし、プラークが付着した状態が長く続くと、唾液による修復も追いつきません。
虫歯を予防することはもちろん、虫歯を悪化させないためにも、プラークコントロールはとても重要なのです。

歯周病を予防する

プラーク内には虫歯菌のほか、歯周病菌も存在しています。歯周病は、歯周ポケットから入り込んだ歯周病菌が毒素を出して歯肉に炎症を起こし、歯槽骨を溶かしてしまう病気です。
最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうだけではなく、毒素が歯肉から毛細血管を伝って全身にまわることで、糖尿病の悪化や心臓病、脳梗塞などの病気を引き起こすリスクもあります。

プラークコントロールでしっかりと歯垢を除去することは、歯周病そのものや歯周病から派生する全身疾患の予防にもつながります。

歯石の形成を予防する

歯石はプラークが石灰化し、軽石のように硬くなったものです。歯石は歯磨きやデンタルフロスなどで除去できませんので、歯科医院でクリーニングしてもらう必要があります。
歯石の表面はデコボコしているため、細菌が付着しやすい状態です。そのままにしていると、歯石の上にさらに細菌の塊である歯垢が蓄積し、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

プラークコントロールによって歯石の形成を防ぐことは、清潔な口腔環境を保ち、虫歯や歯周病のリスクを減らすことに直結するのです。

プラークコントロールの達成度を確認するには?

プラークコントロールを意識するようになると、日頃、自分がどのくらいプラークコントロールができているのかが気になるものです。

歯科医院の定期健診に行くと、プラークコントロールがどれだけできているかをプラークスコアで測定することができます。
プラークスコアとは、プラークを歯垢染色液で染め、歯を4面に分けてどの面が染まっているのかチェックし、磨き残しをパーセンテージで表したものです。一般的に、プラークスコアが20%以下であればしっかりとプラークコントロールができているという指標になります。

自宅での確認方法

おおまかな確認方法となりますが、自宅でもプラークコントロールの達成度を確認することができます。ドラッグストアなどで市販されている歯垢染色液を使用する方法です。歯垢染色液を使用することで、自分の歯磨きの癖を知ることができ、プラークコントロールの質の向上につながります。

歯磨きを行ってから、歯垢染色液をつけて一度うがいをし、口の中を鏡でチェックしてみましょう。プラークが付着している部分が染まりますので、一目で磨き残しを確認することができます。

歯の健康のためにプラークコントロールの徹底を

歯ブラシによるブラッシングをはじめ、セルフケアや歯科医院で行うプラークコントロールには様々な方法がありますが、どれも虫歯や歯周病などの口腔トラブルを予防する上でとても重要なことです。
歯の健康を長く維持するためにも、日頃からしっかりとプラークコントロールを行っていきましょう。

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