放置は厳禁!歯が欠ける原因と欠けた場合の対処法

欠けた前歯

私たちの歯が欠けるのには、必ず原因があります。欠けてしまった歯を見つけたとき、「痛くないし少しだけだから」「年齢のせいだから」といってそのまま放置すると、歯が欠けた理由が虫歯などの進行性の原因だった場合、症状が悪化してしまう可能性があります。

今回は、歯が欠けた場合の対処法や、日頃から実践できる予防方法について詳しく解説します。

歯が欠ける原因とは?

歯が欠ける原因には、主に虫歯や事故による外傷、酸蝕症、歯ぎしりなどの影響が考えられます。どういった経緯で歯が欠けてしまうのか、また、その対処法について詳しく見ていきましょう。

その1虫歯

虫歯の歯

歯が欠ける原因として、しばしば見られるのが虫歯です。
初期の頃の虫歯は、歯の表面が白く濁ったような色や、茶褐色を呈しています。虫歯菌が酸を排出すると、一番上の層であるエナメル質、その下層部の象牙質とボロボロに溶かされていき、穴が形成されます。さらに症状の進行が進むと、穴の中がだんだんと黒くなっていくのです。

また、穴が小さかったとしても、歯の中では予想以上に虫歯が進行しているケースもあります。
虫歯になると、歯がやわらかく脆くなってしまうので、硬いものを噛んだときやグーッと食いしばったときに、その部分が欠ける可能性も当然高くなります。

虫歯で歯が欠けた場合の対処法

虫歯は、放っておいても絶対に治りません。虫歯を見つけた時点ですぐに歯科医院を受診してください。
象牙質まで達した虫歯は痛みを感じます。象牙質の下には歯の神経が通っているので、ここまで到達すると激痛を感じます。痛みがあってもすぐに受診ができない場合は、痛み止めを飲んで一時的にしのぎましょう。

できれば、虫歯の発生を防ぐとともに、虫歯を早期発見できるよう、定期検診(メンテナンス)に通うことをおすすめします。

その2外傷

外傷と歯の損傷

転んだり、壁にぶつかったり、運動中にボールが当たってしまい、歯が欠けてしまうことも少なくありません。
多いのはやはり上顎の前歯です。歯の先端部分が切れたように欠けてしまうのが特徴的です。

一般的に、子供の乳歯では歯が欠けずに脱臼が起きやすくなります。脱臼とは歯が定位置からズレてしまう現象で、歯が中にめりこんでしまったり、横に動いてしまったりすることです。
乳歯は歯が埋まっている組織が大人に比べて柔らかいので、外傷を受けた場合、折れるのではなく歯がまるごと移動してしまうのです。

逆に、大人の永久歯だと歯がしっかりと歯槽骨に埋まっているため、破折する確率が高くなります

外傷で歯が欠けた場合の対処法

外傷によって歯が欠けてしまった場合には、すぐに歯科医院に行きましょう。

欠けた部分が残っているようであれば、捨てずに保管しておいてください。歯の状態が良ければ、欠けた部分をくっつけることができます。その際は、歯が乾かないように歯の保存液に入れましょう。歯の保存液がない場合は、冷たい牛乳でも構いません。

その3酸蝕症(さんしょくしょう)

酸で溶けかかった歯

酸蝕症とは、酸で歯が溶けてしまう疾患です。酸に溶かされてしまった歯のことを酸蝕歯と呼びます。

酸蝕症はオレンジジュース、スポーツ飲料、黒酢ドリンク、ワイン、柑橘系のフルーツなど、酸性度の高い飲食物を高い頻度で摂取することで発生するもので、細菌の出す酸が原因で引き起こされる虫歯とは区別されています。

また、拒食症や過食症、逆流性食道炎などによる頻繁な嘔吐からの酸蝕症にも注意が必要です。
胃液は非常に酸性度の高い消化液ですので、嘔吐する際に歯が胃酸に触れると、酸蝕症を引き起こしてしまうことがあるのです。

歯が酸に侵されると、歯の黄ばみや白濁、知覚過敏による痛みが引き起こされます。さらに、酸にさらされた歯は溶けて薄くなるため、強い力が加わったときには欠けてしまうこともあります。

酸蝕症で歯が欠けた場合の対処法

酸蝕症が飲食物によるものの場合は、予防として酸性の飲食物の摂取をできるだけ控えることが先決です。酸性の飲食物を摂取したという場合には、水やお茶を飲んで酸を中和させましょう。
唾液にはカルシウム成分が含まれており、歯を丈夫にする力が備わっています。口が乾きやすい方は、ガムを噛んで唾液の分泌を促進することも重要です。

また、胃液の逆流による酸蝕症は、嘔吐の原因となる疾患を完治させることも必要になってきます。

歯科医院で治療を行う場合、溶けた部分が少なければ処置を行わず、そのまま経過観察することもあります。痛みが発生している場合は、薬を塗布したり、象牙質の露出した部分を専用のコーティング材で覆ったりといった治療を行います。

その4歯ぎしり

歯ぎしりをする歯

歯ぎしりの種類や強さによっては、歯が欠けることも珍しくありません。歯ぎしりにはクレンチング、グラインディング、タッピングの3種類があります。

クレンチングは、ギュッと上下の歯を食いしばる行動です。緊張しているときや、寝ているときに起こりやすくなります。多大な負荷が歯にかかるので、歯が欠けやすくなります。

グラインディングは、ギリギリと上顎の歯と下顎の歯をすり合わせる癖です。グラインディングをしていると歯はどんどんすり減ってしまいます。なお、日中にギリギリと歯ぎしりをしている方は少なく、寝ている間に無意識に行っていることがほとんどです。

タッピングは歯を軽くカチカチと噛む行為で、これも就寝中に無意識に行っている方がほとんどです。クレンチングやグラインディングと比べて歯への負荷は少なく、タッピングにより歯が欠けることはあまりありません。

歯ぎしりで歯が欠けた場合の対処法

歯ぎしりは無意識で行っていることが多く、なかなか自分で気づくことができないものです。夜間の歯ぎしりは、一緒に寝ている方に指摘してもらい、初めて気付くケースが多くみられます。

虫歯がないのに何となく歯や顎が痛いという場合はクレンチングを行っていることがあります。また、歯が全体的にすり減っている場合には、グラインディングをしていることが多いです。
虫歯の有無や、歯がすり減っているのかいないのかは、歯科医師が診察をしないとわかりませんので、心当たりのある方は歯科医院を受診しましょう。

もし、歯ぎしりをしていると診断された場合、マウスピースを作ることになります。マウスピースの装着によって歯ぎしりを止めることはできませんが、歯を保護し、欠けるのを防いでくれます。
また、顎への負担を和らげることで、顎関節症の予防にもつながります。

歯が欠けたら病院ではどんな治療が行われる?

歯が欠けた場合、基本的には代替物で欠けた部分を補うことになります。補綴材料としては、コンポジットレジン、金属(金、銀、パラジウムなど)、セラミック、ジルコニアなど様々なものがあります。

その1小さく欠けた場合

コンポジットレジン(CR)という白いプラスチックで、欠けた部分を補完します。虫歯の治療に使われるとてもオーソドックスな方法です。

その2大きく欠けた場合

クラウンという歯を丸ごと覆う補綴物で補います。前歯の場合は銀歯だと目立ってしまうので、保険では白いレジンを用いたクラウンを使用します。
自費治療の場合は、セラミックやジルコニアという身体的にも見た目的にも良い材料を使用することができます。

その3縦に割れた・根元から折れた場合

歯が縦に割れてしまうと、ほとんどの場合が抜歯となります。抜歯になってしまったら、ブリッジ、義歯(入れ歯)、インプラント治療のどれかを選択することになります。

ただし、歯の長軸に対して水平に折れた場合は、歯根の中の神経が通っている根管という部分に対して処置を行えば、抜歯を避けることができるケースも存在します。

歯は欠けたまま放置せず早めに病院へ

自己判断で歯を欠けたままの状態にしておくことは、審美的な問題が生じることはもちろんのこと、噛み合わせが悪くなったり、痛みや腫れなどの病状が悪化したり、最悪の場合、歯を失う恐れもあります。
日頃から注意深く口腔内を観察し、欠けている歯を見つけたらすぐに歯科医院を受診するようにしましょう。

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