歯ぎしりを放置していると歯の寿命に影響が!

歯ぎしりとは、眠っているときなど無意識のうちに強い力で歯と歯をすり合わせて音を立てる動作を指します。最近では、覚醒している状態の動作も含めて「歯ぎしり」と呼ばれるようになっています。
歯ぎしりは「ブラキシズム」とも称され、上下の歯をすり合わせる「グラインディング」、上下の歯をぎゅっと静かに噛み締める「クレンチング」、カチカチと音を立てながら嚙み合わせる「タッピング」など3つの動作に分類されます。

歯ぎしりは子供から大人まで、年齢を問わず誰にでも起こる症状ですが、本人が自覚していない場合が多く、その強さや頻度、持続時間によっては身体に様々な影響を及ぼす可能性があります。

歯ぎしりの原因と悪影響

歯ぎしりの原因は様々ありますが、主に以下の原因が挙げられます。

歯ぎしりの主な原因

1
精神的・肉体的ストレスによるもの
2
喫煙や飲酒によるもの
3
歯並び・噛み合わせが悪いことによるもの
4
逆流性食道炎によるもの
5
抗うつ剤(SSRI)の副作用によるもの

歯ぎしりの癖を放置していると、顎の関節に負担をかけることによる顔面痛顎関節症、筋肉が緊張状態に陥ることから肩こり頭痛といった様々な症状を引き起こる場合があります。
また、歯ぎしりで歯がすり減るために、冷たいものを口にすると歯が染みる知覚過敏や、過剰な力が加わることにより歯周組織に負担を与え、歯周病を悪化させる原因にもつながります。

さらに容貌においても、歯ぎしりで顎の筋肉を常に動かすことで筋肉が発達し、エラが張ってしまうといった影響もあります。

歯ぎしりはインプラントの失敗要因にも

天然歯の根の部分には、「歯根膜(しこんまく)」というクッション的役割を担う組織が存在するのですが、インプラントは人工歯なので歯根膜が存在しません。
そのため、歯ぎしり癖がある方は、歯根膜がないインプラントに対し過剰な力が特に加わりやすく、インプラントの上部構造(被せ物)や埋入している人工歯根を損傷してしまう可能性があります。

歯ぎしりの治し方

歯ぎしりが私たちの身体に与える悪影響は大きく、無視できないものです。周囲に指摘された、あるいは自覚した際には早めに治療を始めることが大切です。では、歯ぎしりの治し方にはどんな方法があるのでしょうか。

その1マウスピースによる「スプリント療法」

歯ぎしりの治し方として最も主流となっているのがスプリント療法と呼ばれる方法です。この治療法では、プラスチックで作られたマウスピースと呼ばれるカバーを使って、歯ぎしりや食いしばりを軽減していきます。

その2薬物療法

薬物療法は筋弛緩剤のメトカルバモールやジアゼパム、高血圧治療に使用される降圧剤など、薬の効果によって歯ぎしりを抑制する治療法です。ただし、薬物依存・ふらつきや眠気などの副作用の問題があるため長期的には行えず、また、日本国内ではあまり行われていません。

その3フィードバック療法

フィードバック療法は、眠っている間の歯ぎしりに対し、音刺激などの様々なフィードバック刺激を与えて歯ぎしりを抑制する方法ですが、装置の煩雑さから実用化には至っていないというのが現状です。

その4生活習慣の改善も重要です

歯ぎしりの原因はストレスや喫煙・過度な飲酒など、日々の生活習慣にも大きく関わっています。歯ぎしりを治すには、日々のストレスを上手に発散し、タバコやアルコールを控えるといった日々の心掛けが重要となります。

また、日頃から歯を噛み合わせないよう意識して上下の歯を離すことや、枕の高さの調整、強張った口周りの筋肉や顎をマッサージするなどの方法も効果的です。

医療機関での専門的な治療に加えて、自主的なセルフケアにも積極的に取り組み、歯ぎしりを改善していきましょう。

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