Q格安インプラントは危険なのか?

インプラントは1本25~40万円とも言われていますが、そんな中1本10~15万円と格安で治療を行う歯科医院も登場しています。インプラントは、保険がきかない自由診療ですから、値段は歯科医院で独自に決めることができます。そのため、安くインプラント治療を行う歯医者が登場することは自然なことなのかもしれません。

しかし、インプラントはリスクをともなう治療法です。人工物を体内に埋入する治療ですから、安いというだけで医師を選ぶのはベストな選択と言えません

近年はインプラント治療によるトラブルの報告も多く、インプラント治療に対して不安を持つ患者さんも少なくありません。トラブルを防ぐために、格安インプラントの危険性も把握しておくことが必要でしょう。

格安インプラントが危険な理由

どんなに安くても、インプラントが失敗に終わっては意味がありません。格安インプラントが失敗を招きかねない主な理由には、以下のような理由があります。

適切なインプラント(人工歯根)を使用していない

インプラントメーカーは多数あり、長期に渡る治療データから安全性が確認されているものもあれば、安全性や耐久性の確認がなされていない激安インプラントもあります。
治療で使用されているインプラントが、安全性が保証されていない、激安品かもしれないのです。
格安インプラントの場合は特に、どこのメーカーのインプラントを使用するのかを確認することが大切でしょう。

歯科医院の設備投資がなされていない

設備がインプラント治療を行うわけではありませんが、治療の安全性を高めるためには、歯科CTや専用手術室、3D画像によるシュミレーションソフト、滅菌システムなど…さまざまな設備が必要になります。
これらの設備がなくても、インプラント治療を行うことは可能なのですが、安全性の高い治療ができるとは言えないでしょう。

医師やスタッフのスキルアップがなされていない

医師だけでなく、治療に関わる全てのスタッフが、インプラントの知識を深め、技術を向上させていく必要があるでしょう。そのため、講習会への参加やインプラント資格の取得などへの投資も必要になります。

より良い治療を目指している歯科医院と、そうでない医院では、どっちで治療を受けたいと思うでしょうか。

十分な保証を受けられない

インプラント治療は、メンテナンス次第で半永久的に使用できるとも言われています。しかし、被せ物が破損したり、何らかの事故でインプラントを損傷したり、十分なメンテナンスを行っていても、万一ということがあります。そのため、しっかりとした保証がなければ、安心して使い続けることができません。
保証内容も、歯科医院によって異なりますから、事前に確認することが必要です。

「1本15万円」とうたっていても、実際にはもっと費用がかかる

「インプラント1本15万円」と言っていても、被せ物の費用が含まれていなかったり、CT検査や骨造成手術が別料金となっていたり、15万円だけでは治療を行えない場合も少なくないようです。

また、術後のメンテナンス費用も歯医者により異なりますが、無料で行う歯医者もあれば、1万円近い金額を設定する歯医者もあります。
治療費だけでなく、メンテナンス費用など維持費についても、事前に確認することが大切でしょう。

では、高い方が安心なのか!?

インプラント費用が高い歯科医院の方が、品質や安全性が確保されているのか?というと、それも違います。
「インプラント1本にいくらかかるのか」だけでなく、使用するインプラント、被せ物の素材、検査内容に使用する麻酔など、どんな料金が含まれていくらになるのかということも確認することが大切でしょう。
そして、インプラント治療の成功に大きく影響している、歯科医師の技量についても(過去の症例などで)確認することが必要でしょう。